サトウタクミ/斎藤工
コロナの影響で仕事がなくなってしまった俳優。
通販で怪獣を購入して育て始める。
四月末、岩井監督の1通のお便りから密やかに始まったこのプロジェクトは、カプセル怪獣の如く日々変化と進化を繰り返し、登場人物も、のんさん、武井壮さん、穂志もえかさん、更には”怪獣や星人”が参加して下さり、作品自体が第二形態へと大きく変貌を遂げました。他に類を見ないこの進化型怪獣(映画)の目的・ミッションは、人類の平和と、ミニシアターを中心とした映画館の救済です。映画を愛する皆様に、岩井俊二監督・我々の想いが届く事を願っております。
丸戸のん/のん
サトウタクミの後輩俳優。
通販で星人を購入して育て始める。
岩井俊二監督のリモート撮影作品に参加させていただき心から嬉しく思います。そして斎藤工さんとも初めての共演をさせていただきました。先輩俳優と後輩のやりとり、とても楽しかったです。怪獣の卵をネットで買って、未知の生き物に地球の未来を委ねる不思議な世界観。小さな白い怪獣が今にも動き出すんじゃないかと、ドキドキしました。どんな状況でも映画作りをする岩井監督の作品に参加できて感動しています。コロナ禍で気持ちがしぼみがちな中、私も大人しくしてるだけじゃダメだ、と勇気付けられました。 ミニシアターが無くなっては困るということで、斎藤工さんも参加されているミニシアターエイドに、私も参加させていただきました。今回は、作品で応援できるということで、役者として一番嬉しい形だなと思います。みんなの大切な、映画の記憶が刻まれる場所が、残っていって欲しいと願います。
オカモトソウ/武井壮
サトウタクミの先輩。
バンコクでレストランを経営していたが、わけあって日本に帰国。
新型コロナウイルスの影響もあり、現在失業中。
コロナウイルスに襲われた我々人類は、そこにどんな変化をもたらして、どんな対抗策を繰り広げ、どんな未来を手に入れるのか? 怪獣たちとの出会いから、最も小さな舞台で最も大きな戦いがはじまります。果たして怪獣は人類を救うのか、滅ぼすのか!? そんなストーリーを日常の中に描いた作品です。完全リモート収録で行われたこの作品でしたが、岩井俊二監督の世界に入り込めたことで、僕の人生も第二形態に突入したと思われます。さらに斎藤工さん、のんさん、穂志さん、樋口さんとのコラボレーションに興奮しました。 存亡の危機にあるミニシアターや映画館を救うミッションにこの心強いメンバー達と立ち向かえる機会を頂いて本当に感謝しています。僕はコロナ渦に苛まれる料理人役で、工くんの演じる主人公の怪獣との戦いをオンラインで目の当たりにしつつ、自身の困難に向き合いながら仲間の助けと共に乗り越えようと足掻きます。 みなさんの生活ではどんな風にコロナと向き合いましたか? ぜひこの作品の中で我々とともに戦い、新しい形態の自分に生まれ変わって世界を救いましょう!
もえかす/穂志もえか
バスタブの中から『もえかすのお風呂チャンネル フロバタカイギ』という一風変わった番組を配信しているユーチューバー。
タクミ同様、通販で怪獣を購入して育てている。
新しい体制で新しい物づくりが始まり、私も何かできることはないかと考えていたある日、「8日で死んだ怪獣の12日の物語 」がYouTubeにアップロードされ始めました。 一話目から、こんな今だからこそ出来ること、伝えたいことがある、という強い想いを感じ、私もその船に乗りたい、この作品を届けたい!と思っていたところ、 光栄にも参加させていただけることとなりました。 岩井監督が産み出した小さな卵や怪獣を手にした時、不思議と、より真剣にコロナによってもたらされた今とこれからについて考えるようになりました。私たち一人一人に出来ることが有るのだという、希望も感じました。 私の受け取った想いが、今度はスクリーンを通して皆様へと届き、何かを感じていただけたら幸せです。
樋口監督/樋口真嗣
怪獣に詳しい映画監督。
サトウタクミからの怪獣に関する質問になんでも答えてくれる。
この時期に、まさか映画が作れるなんて。 まさか自分が出るなんて。 しかも去年撮った主演俳優と共演するなんて。 (リモートだけど、同じ時間を演じる上でリモートも同一空間も関係ないのが解ったのは得難い体験でした) とにかく、 全部コロナのせいだし、 全部コロナのおかげだ。 最高に真摯で 最高にキュートな動画たちが、 まるでカプセル怪獣たちのように 一本の映画になるのです。 その成長…進化をぜひ映画館で楽しんでください。 この数ヶ月をコロナと過ごし、乗り越えたすべての人に…。
脚本·監督·造形 岩井俊二
樋口真嗣監督たちが始めた「カプセル怪獣計画」というリレーチャレンジ動画企画に声をかけられたのが4月28日。その趣旨をちょっと誤解して、じぶんなりのショートストーリーを考えてしまいました。小さな怪獣の卵を通販で購入し、毎日育てていくと、思いがけない怪獣に成長していくという物語。一ヶ月後には撮影も完了していたので、途轍もなく速いぺースで完成してしまった作品です。コロナという、今世界中で猛威を振るっている世紀の災厄。誰もが対岸の火事ではいられないこの事態。我々エンターテインメントの世界も、真っ先に甚大な被害を被りました。僕は仕事を作る立場の側です。その責任の重さを今回ほど強く感じたことはなかった気がします。この作品を作ることそのものがコロナ禍にあって自分のできるせめてもの抵抗だった気がします。気の休まらない日々の中、この作品が誰かのせめてもの気休めになってくれたら。そんな想いです。
主題歌「連れてってファンタァジェン」
小泉今日子
コロナ禍の日々の中、毎朝の配信を楽しみにしていた「8日で死んだ怪獣の12日の物語」がミニシアター支援のために劇場公開されることになったということで、微力ながら参加させて頂きました。33年振りに歌った「連れてってファンタァジェン」でした。この映画が誰かの心のファンタァジェンになりますように。